
- special feature -
遠州の「シャトル織機」から生まれたHUISの服
シャトル織機で織る最高品質の「綿織物」のブランド『HUIS』
お店で洋服を選ぶ時、どんなことを考えて購入しますか。
着心地やデザイン、扱い方、どこで造られているかなど。
私たちお店を運営する側は、お客さまがどのように使うか考え、商品を選び、商品に込められた思いをいかにお客様へ伝えることができるか、日々考えています。
先日、「日本の工芸を元気にする!」がコンセプトの中川正七商店が主催する展示会、大日本市が行われていました。そこで、数あるブランドの中からシャトル織機で生地を織る、『HUIS.』と出会いました。
HUISは、私たちの地元でもある静岡県浜松市の、シャトル織機で生地を織る唯一無二のブランドです。使うほどに「育つ生地」と表現され、着る人の五感に幸せを運びます。
シャトル織機で時間をかけて生まれる高密度で心地の良い生地。
シャトル織機と聞いても、すぐに思い浮かぶ方は少ないと思います。
こちらは生地になる糸とシャトルです。
シャトル織機は、縦糸に負担をかけないように開口するすき間を、横糸を載せたシャトルが往復することで生地を織り上げていきます。
低速で織ることから、極めて細い糸を超高密度で織ることができます。多くの糸を使うことから耐久性が高く、また驚くほど柔らかく上質な質感が生まれます。
最新の近代織機と比較すると生地を織るのにすごく時間がかかります。例えると、通常は1日で織る生地を1ヶ月近くもかけて織っているということです。
さらに衝撃を受けたのは、ブラウス1着に東京駅から横浜駅までに相当する長さの糸が使われているということでした。
HUISの洋服は、今ではもう製造されていない、価値ある旧式の「シャトル織機」だからこそ生まれる、様々な機能性と心地よさを持った特別な生地なのです。
MADE IN JAPANということ。
HUISの洋服は、生地から全て、遠州の職人による技術で作られた、完全なるMADE IN JAPANです。
お店で手に取った商品のタグに「MADE IN JAPAN」という記載があると、「生地から縫製まですべてが日本で作られた洋服」だと思われる方が多いと思います。
しかし、実際に私たちが目にする「MADE IN JAPAN」の多くは、アジアを中心とする安価な海外産の生地を仕入れ、日本国内で縫製されたものです。「日本産の生地」を使いかつ「日本で縫製」した衣服は、1%に満たないと言われています。
HUISの洋服は日本国内で織られ、日本でつくられた希少なものです。
そして、浜松市を中心とする遠州地域が、コットン生地の産地なのです。
生地の根本に触れて。
産地が遠州地域ということもあり、ショールームに伺い、洋服の生地である糸とシャトルを見せさせていただきました。
とてもとても細い糸で、これが低速度で高密度の生地になると思うと、職人さんが作る唯一無二の生地の根本に少し触れることができたような気がしました。
生産背景を伝えていきたい。
cocochiには、日本の森で育った木を使うという事が、簡単ではないという事、
それでも当たり前になってほしいという事、そんな願いが詰まった「mori to kurasu」という家具のオリジナルブランドがあります。
家具の材料が「木」のように、洋服の材料が「生地」という当たり前の事だけど、そ
の背景に少しでも目を向けていただけるように、私たちはHUISの商品を販売していこうと思いました。
cocochiでは、9月9日より店頭にてHUISの商品を取り扱います。
順次オンラインショップでも取り扱いを始める予定です。
写真はショールームのものですが、話を膨らませながらいくつかの商品をセレクトをしてきました。
ぜひ手に取って、シャトル織機にしかできない、耐久性や驚くほど柔らかく上質な質感の心地よさを感じてみてください。