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cocochi流〝もの選び〟
店舗の2階に上がると、奥まで視線が抜ける広くて明るいフロアに、たくさんの家具が並んでいます。これらの家具は、cocochiのスタッフがひとつひとつ時間をかけて選んだもの。実はそこにcocochiならではの、ある共通点があります。
cocochiで取り扱っている家具は、北海道、岐阜、静岡、広島、福岡といった、日本全国から選び抜いたもの。東京で開かれる展示会や、時には現地へ赴き、実際に見ることはもちろん、椅子の場合は座り心地も確かめた上でセレクトしています。
ただし、確認するのは家具の見た目や使い心地だけではありません。これがcocochiのこだわりポイント。買い付けの際には、できる限り、デザイナーさんや職人さんなど、家具製作に携わった人に話を聞くように心がけています。
「この家具がどうやって作られたのか」「どの工程にどう時間を費やしたのか」
「どういう意図でその形になったのか」をひとつひとつ深く切り込んで確認していくのです。
中には製作の背景や考えを伺うことができない場合もあります。そうなるとcocochiとしても、どのようなお客様に合っているのか判断するのが難しくなってしまいます。作り手の話をしっかりと聞き、店に並べ、その先のお客様まで想いを伝えることが、cocochiとしての役割だと考えています。
こだわりや考えをもって作られた家具の例を挙げてみましょう。
例えば、この2つの椅子。背もたれの高さも形も違います。ダイニングチェアとひとくくりに言っても、使う人の体型も使い方もさまざま。家族の中でもバラバラかもしれません。浅く腰かけてさっと食事だけをとる方もいれば、背を付けて足を伸ばし、ゆっくり晩酌を楽しむ方もいらっしゃいます。背もたれの上部が薄く削られた右の椅子は、後傾姿勢になった際に心地よく背中に沿う、まさに後者におすすめの椅子なのです。
さりげなく面を削っているように見えますが、実際は削らないデザインと比較すると、手間も時間もかかっています。そこに職人のこだわりを感じることができるでしょう。
このように、作られた背景や想いを大切にするcocochiの〝もの選び〟。お客様ひとりひとりに合った家具を探すことにつながっていきます。とはいえ、もちろん無理におすすめすることはありません。ここもcocochiのこだわりポイント。家具を販売する際には、お客様自身で選んでいただくよう、心掛けています。スタッフは、そのために必要な情報や考え方をアドバイスします。
例えば椅子を選ぶ際には、履物を脱いでリラックスした体勢で座って頂くことも。長時間座って疲れた時の姿勢でも心地良く感じられるかどうか、も判断の基準になり得るからです。このように、お客様がご自分で生活スタイル・使い方を見直し、家具を選ぶ過程を、お話を聞きながらお手伝いしていきます。
作り手のこだわりに納得、共感した上で購入され、お客様のお宅へ迎えられた家具は、「飽きたから」とすぐに捨てられてしまうことは少ないのではないでしょうか。
「長年使って壊れてしまったけれど修理してまた使いたい」と愛着をもって大切にされるお客様もたくさんいらっしゃいます。
cocochiでは特に、年月とともに味わい深くなる無垢の木を使った家具を多く取り揃えているのも、長く使って頂ける理由のひとつです。
理屈っぽいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、毎日の暮らしの一員となる家具だからこそ、きちんと納得して購入頂き、長く一緒に過ごしてもらいたいと考えています。
もし家具選びで悩んだり、疑問に思ったりすることがあれば、お気軽にご相談ください。家具を愛するスタッフが、じっくりとお話をお伺いいたします。