菱文切立小鉢
貫入と幾何が語り合う、
異色の切立小鉢
昭和初期の陶芸家・加藤舜陶による作品。中心に浮かぶ幾何模様と、細やかな貫入が時の流れを映し出します。釉のにじみや揺らぎ、裏面の作家印まで、すべてが一点ものの美。使うほどに味わいが深まる、加藤舜陶作の切立小鉢です。
静かに交差する、幾何と窯変の美
黄土色の素地に深く沈むような透明釉、その下には、抽象絵画を思わせる十字の意匠。中央の4つの四角模様は、渦巻く線が内包され、まるで年輪のように時を重ねた痕跡を物語ります。手仕事ならではの揺らぎと、貫入の入り具合が見事に調和した一品です。
貫入が描く、時間のレイヤー
表面には、細かなひび模様=貫入(かんにゅう)が全面に広がっています。これは陶器と釉薬の収縮率の違いから自然に生まれるもので、昭和初期の釉薬・焼成ならではの味わいです。時間の経過とともに色が入り込み、器に“時の跡”を刻んでいきます。側面にも美しい貫入が見られます。
掌にすっぽり、使い道ひろがる
直径約9.5cm、高さ約3cmの小ぶりな鉢。豆皿のようにも使える一方で、深さがあるためタレや副菜、薬味入れ、アクセサリートレーとしても重宝します。
作り手の静かな想いが、いまも器の中に
昭和初期、瀬戸の焼きもの産地では、日用品から美術工芸品まで多様な陶器がつくられていました。そうした時代のなかで、加藤舜陶はひとつひとつの器に丁寧な手仕事を重ね、展覧会への出品と記録を地道に積み重ねてきた作り手です。天皇陛下の御使用食器を手がけ、内閣総理大臣賞など数々の受賞歴を持ちながらも、作風はあくまで実直で控えめ。釉薬の濃淡や高台の処理など、細部にその誠実な姿勢が表れています。
※デッドストック品のため、釉薬ムラや黒点、突起、ざらつきなどがみられる場合がありますが、いずれもご使用に支障はございません。“一期一会”の味わいとしてお楽しみください。
気になるところ、まとめてみました
【Q&A】
Q. どんな作家さんですか?
A. 国内外あわせて50件以上の展覧会に出品・受賞している実力派の作家です。日本では、内閣総理大臣賞や愛知県知事賞、中日文化賞などの賞を受けたほか、日本陶芸展や現代工芸美術展などにも数多く出品。天皇陛下の御使用食器を手がけた記録もあります。
海外でも、ブリュッセル万国博覧会やパリ国際見本市、アメリカ・ドイツ・中国・スペイン・韓国など、20カ国以上の展覧会に参加。昭和の日本陶芸を世界に広める役割も果たしていました。
Q. この模様って、どうやって描かれているの?
A. おそらく「鉄絵」と呼ばれる鉄分を含む顔料で描かれた文様に、透明釉をかけて焼き上げています。釉の下でにじんだり、沈んで見えたりするのは、土や釉薬の成分・温度・窯の位置などの“偶然”が作用してできた景色。理屈ではコントロールしきれない「窯の中の表情」が、この器の魅力のひとつです。
Q. 同じ商品は再入荷する?
A. デッドストックゆえ在庫限りです。再入荷は基本的にございません。シリーズでそろえたい方はお早めにご検討ください。
菱文切立小鉢
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商品番号 187609842 デザイナー 加藤舜陶 生産国 日本 素材 陶器 サイズ Φ9.5×h3cm 注意事項 デッドストック品は現在は生産されていない、未使用長期保管品となります。
色ムラや傷など表面上に様々な個体差がございます。
デッドストック品につき正規の表記がない為、保証は致しかねます。
破損以外での返品・交換は致しかねますので、予めご了承の上ご購入くださいませ。
◎トラブル防止のため、申し訳ございませんが、ラッピングをお断りさせていただきます。配送ランク 小物便
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